交通事故で起こる障害の中で最も深刻なのが頭部の障害です。
強い衝撃は頭蓋骨など表面部分だけでなく、内部の脳本体にも影響を及ぼします。
これにより頭蓋内 出血や脳挫傷など危険な疾患を発症するのです。また、頭部の障害は重篤な症状だけでなく、後遺症を残す可能性が高い障害です。
脳へのダメージを最小限に抑 えるには、早期発見・治療が何より重要になりますので、適切な対処が取れるよう準備をしておきましょう。
今回は脳震盪の応急処置についてお話させていただきます。
脳震盪は単体の障害を表す言葉ではなく、頭部に衝撃を受けた際に起こる軽度の意識障害全般を意味します。
具体的には出血を伴わず、短時間で回復する意識障害です。
発生後は頭がぼーとしたり、失神、記憶喪失などの状が起こります。人によっては頭痛、吐き気の症状を伴うことあります。
原則、特別な治療を必要とする障害ではありません。しかし、重篤な症状が数時間後に現れることもあり、最低でも発生から24時間は様子を見た方がいいでしょう。
また、人間の中枢機関とも言える脳の障害のため、後遺症を残さないよう適切な処置・治療を施す必要があります。
脳震盪を起したら直ちに意識確認を行います。
正常な認識が行えるか、意識を失っていないか、意識を失った時間、直立が出来るかを確認します。
この際、意識がある場合には呼吸、脈拍を確認し可能なら頭や頸の冷却を行います。
もし意識障害が起こっている場合には、首や頭を動かさないよう安静な姿勢を保ち、なるべく早急に専門医の診察を受けるようにします。
比較的短時間で意識が回復した場合には安静にすることで対処します。
ただし、脳の障害は重篤な症状や後遺症を残す危険があり、また他の脳疾患を引き起こす原因にもなるため、必ずCT検査やMRI検査を受けるようにしましょう。